Sachikoを小林幸子らしく歌わせる「Sachikobushi」の正体。

小林幸子がベースになったVOCALOIDライブラリ、Sachikoが7/27に先行リリースされてから様々な楽曲がアップされているようで、前回のSachikoの記事にて「ポスト初音ミクになりうるライブラリ」と書いた訳ですが、そのSachikoのキモとなっているものが、Sachiko専用のJob Plugin「Sachikobushi」にあります。

当初、僕自身は「専用」とはいうものの、Job Plugin自体はLuaと言う主にゲームプログラムで使われている言語で書かれているため、どうにかすれば汎用的に他のボカロでも使えるんじゃないか?と思っていたのですが、松尾P氏(@mazzo)の以下のツイートを見た時に「え?こう言う仕組みだったの?」とびっくりした訳で。

何故びっくりしたかというと、松尾P氏も呟いている通り、Sachikobushiに「hts_engine_API-1.09」と言う、SinsyやOpen JTalkを知っている方であればなじみの深いHMM(隠れマルコフモデル)の音声合成APIが含まれている訳でして。

ボカロとHMMと言うふたつの音声合成技術をどうやって使っているのだろう?と思っていたところ、松尾P氏自身がITMediaにて記事にしており、一通り読んで納得した次第です。

 

小林幸子さんの歌唱力が移植された「VOCALOID Sachiko」の秘密とは? (1/2) – ITmedia ニュース

 Sachikobushiは、Sachikoにバンドルされる専用のプラグインで、ほかのVOCALOIDでは使うことができない。なぜなら、そこには「歌手・小林幸子の歌い方」がデータ化されて収められているからだ。小林幸子さんの歌い方、節回しなどを深いところまで表現できる仕組みが用意されている。

ヤマハはこれまでにレコーディングされた小林幸子さんの歌唱音声データを入手し、徹底的に研究し、その成果をファイルに集約した。

ptohoSachikobushi(幸子節)を構成するファイル

これが、Sachikobushiのフォルダの中身だ。この中のhts_engine_APIというファイルは、SinsyやCeVIOで使われている、VOCALOIDとは別の歌声合成方式であるHMM(隠れマルコフモデル)方式の、名古屋工業大学で開発されたオープンソースの音声合成エンジンなのである。

SinsyもCeVIOも、「中の人」が数十曲を歌ったデータからその特徴をモデリングし、「こういうメロディーを歌うときにはこのように表現する」と計算して歌声にする。ただ、これはVOCALOIDなので、歌声をこのエンジンで出すことはせず、音高(PIT)と音量(DYN)の2つのデータだけを取り出す。

HMMの「中の人」として「小林幸子モデル」が入っていて、人が歌ったピッチや音量に従い、VOCALOIDのデータベースに合わせて自動的に「調教」する「ぼかりす」の代わりに仮歌をうたってくれるようなイメージだ。

基本はボカロで、音高と音量のふたつのパラメータをHMMから取り出すことで「Sachikoを小林幸子らしく歌わせる」と言う、ある意味「新たなVOCALOIDの可能性」を提示した感じでしょうか。

松尾P氏も記事中にこのSachikobushiを使ったSachikoで楽曲(ひこうき雲)を歌わせている動画を掲載しているのですが、数カ所の手直しだけで小林幸子らしく歌っている所がこのVOCALOID+HMMのデュアルエンジンの凄さを物語っている様な気がします。

Sachikoと言うライブラリは小林幸子という演歌歌手によるライブラリだから演歌とかそう言ったジャンルに限られてしまうのではないか?と言う思いがあるかも知れませんが、その枠に囚われず、Sachikobushiを上手く使いこなせることが出来れば、他のジャンルでも十分に応用できると思うんですよね。例えばSachikobushiを使ったSachikoの歌声をハウス・ミュージックやテクノに乗せるのもアリだと思う訳で。

 

そう言った意味ではSachikoの歌がどんなサウンドに乗ってくるのかが楽しみな自分がいる訳で。

※勿論、僕も色々と落ち着いたらチャレンジしてみたいと思っています…その頃には乗り遅れてるかも知れませんが(笑)。

 

そう言えば、松尾P氏の記事で英語ライブラリの可能性にも語られていて、

 英語版VOCALOIDの可能性についても聞いてみた。400種類ものサンプリングボイスを収録(レコーディングは800種類くらい行ったそうだ)している中に、英語の掛け声が何個が含まれており、英語曲にも慣れている。英語データベースはやりたいかと質問に、「ジャズも歌ってるし、英会話を勉強して、前向きに」と意欲的だった。さらに、「わたし、発音はいいんですよ」とアピール。

と、本人もかなり意欲的になっていることから、Sachikoの売れ行きが好調ならばVOCALOID+HMMのデュアルエンジンを搭載した英語ライブラリも期待したいところです。

 

 

(本文中の引用文及び画像はITMediaの記事から引用しております)

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